若林研究室

研究概要

若林研究室では,ベイズ統計モデルに基づく機械学習とその応用技術に関する研究を行っています.

ベイズモデルの基礎アルゴリズム

ここ数年,人工知能の分野ではニューラルネットワークが注目を集めていますが,学習結果の解釈や制御が困難であったり,メタパラメータのチューニングが容易でないことが従来から指摘されています. ベイズモデルは,統計学的な理論基盤があるため学習結果の解釈性が高く,多くのメタパラメータが確率論の枠組みで学習対象として捉えることができるなど,理論的な発展性の高い機械学習のアプローチであると言えます. 若林研では,基礎アルゴリズムや応用指向の基礎研究を通して,ベイズモデルの理論的発展に貢献しています.

主要メンバ :柴田尚樹,野沢健人,鈴井克徳,平松淳

トピックモデルによる潜在的構造推論

グラフデータや単語間の関係などに共通してみられる潜在構造を,データから自動的に推論する汎用的手法を研究しています.

  • 野沢 健人, 若林 啓. トピックモデルに基づく大規模ネットワークの重複コミュニティ発見. 情報処理学会論文誌データベース(TOD), vol.9, no.2, pp.1-10, 2016.
  • 野沢 健人, 若林 啓. トピックモデルによる分散表現の獲得手法の提案. 言語処理学会第22回年次大会 (NLP), 2016.
ベイズモデルによる教師なし自然言語解析

品詞推定やフレーズ抽出など,自然言語処理に欠かせない基礎解析をデータから帰納的に行う手法を研究しています.

  • 若林 啓. 部分統語構造を考慮した階層的確率オートマトンに基づく教師なしチャンキング. 情報処理学会論文誌データベース(TOD), Vol.7, No.2,pp.61-69,Jun. 2014.
  • 若林 啓. 階層型HMMに基づくフレーズ生成トピックモデルの提案. 第6回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム (DEIM), 2014.
階層型隠れマルコフモデルの高速推論アルゴリズムと応用

系列データの背後に階層的な構造的特徴を持った状態があると仮定する,階層型隠れマルコフモデルの基盤アルゴリズムを研究しています.

  • 若林 啓. HHMM変換を用いた左非循環PCFGの高速推論. 情報処理学会論文誌データベース(TOD), Vol.8,No.1,pp.45-54,Mar. 2015.
  • Kei Wakabayashi, Takao Miura. Forward-Backward Activation Algorithm for Hierarchical Hidden Markov Models. Proceedings of Neural Information Processing Systems (NIPS), 2012. pdf.

対話システム

近年,スマートフォンやロボットの技術の発達により,音声対話エージェントが身近な存在になってきました. 現在の対話システムとの会話体験はまだまだ自然な会話と言えない部分が大きいですが,この技術が発展すれば人々と情報をつなぐインターフェースはより自然な形に大きく変化することが期待されます. このためには,ユーザの発話の意図を正確に認識したり,雑談に対して自然に対応する技術が不可欠です. 若林研では,様々なアプローチから対話システムの高度化に貢献する研究を行っています.

主要メンバ :久保田豊久,功刀雅士,福田拓也

ベイズモデルによる発話タイプ推定

発話者がどのような意図を持って発話し,どのような返答を期待しているのかをデータから学習・推定する手法を研究しています.

  • 星川 祐人, 若林 啓. 同時進行性のあるチャット対話における発話タイプ推定. 第7回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム (DEIM), 2015.
Web上の情報を活用した発話生成手法

ソーシャルメディアやコミュニティQAサイトなどの人間同士がWeb上でやり取りしているデータを用いて,適切な対話応答を生成する手法を研究しています.

ソーシャルメディア解析

ソーシャルメディア上の情報は,現実の出来事に基づいてほぼリアルタイムに発信されていることから,人々を通して現実世界を知覚するセンサと考えることができます. 若林研では,ソーシャルメディア上の情報から現実世界の特定の概念を学習する技術の研究を行うことで,現在のサービスをより便利にする応用技術の開発を目指すと同時に,自然言語を通して現実世界を知覚する人工知能技術の発展に貢献することをねらっています.

主要メンバ :田中千尋,星川祐人,井上優作

投稿情報からの現実世界のイベント特徴抽出

ソーシャルメディア上の投稿を構造化し,現実世界の出来事と結びつける研究を行っています.

  • 井上 優作, 若林 啓. 表記の多様性を考慮したハッシュタグ推薦. 第8回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム (DEIM), 2016.
ソーシャルメディア上のユーザ間の関係推定

ソーシャルメディア上のインタラクションの情報から,人間関係の親密さやコミュニティの特性を認識する手法を研究しています.

  • 星川 祐人, 若林 啓, 佐藤 哲司. Twitterにおける会話内容を用いた親密度推定手法の評価. 第8回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム (DEIM), 2016.